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ふじりんごスマートフレッシュ処理試験の結果について

 飯田市農業振興センターが平成30年度から令和元年度にかけて実施しました「ふじりんご」のスマートフレッシュ処理による貯蔵期間の延長試験及び販売検証の結果についてお知らせします。

スマートフレッシュ処理により、約6か月の品質保持が可能となり、くだものの少ない5月〜6月の時期にりんごの販売が可能となります。スマートフレッシュ処理後のりんごの保存には予冷庫が必要となるなどの条件がありますが、個々の農家でも実施可能です。希望される方は飯田市農業振興センター(電話0265-21-3217)までお問合せください。

 

  ○ふじりんごスマートフレッシュ処理試験の結果を公表します

 

 農業振興センターは平成26年よりスマートフレッシュ処理(果実の過熟の原因となるエチレンから果実を守る安全な鮮度保持システムで、収穫後の果実貯蔵に使用し呼吸作用と成熟を抑える)試験を実施し一定の成果を得てきました。本年度、ふじりんごのスマートフレッシュ処理により貯蔵期間を延長し直売所等の小売で翌年春以降のくだものが少ない時期の販売につなげるための処理試験を実施した結果を公表します。

1.期待する効果
「ふじりんご」でスマートフレッシュ処理品と未処理品の低温貯蔵中の品質・鮮度状態等について検証し処理品の長期貯蔵の効果が有効であれば、一般的な低温貯蔵品の販売が終了する4月以降くだものの少ない5月〜6月時期にりんごの販売が可能となる。

 

2.処理内容
処理日:平成30年12月4日(火) くん蒸時間:約16時間
処理容量:3.5屬婆30コンテナ(参考)
JA果実選果場へ出荷されたふじりんご(○秀 36〜40玉サイズ)を手配し実施。

 

3.検証項目
―萢品と未処理品を同一条件で低温貯蔵し、貯蔵期間中の品質、食感等の状態を検証。
直売所の販売による価格設定、お客様の評価等を検証。

 

4.検証結果
―萢品については、処理後3ヶ月頃から一部に腐敗・カビが発生したが、総合的には6月まで外見・内部ともに大きな変化は見られず多少の品質低下はあるもののシャキシャキ感・みずみずしさも感じられ鮮度は保たれ良好。特に密入でないものが品質は良好であった。6月に実施した直売所での販売も好評であり、スマートフレッシュ処理による貯蔵期間延長・販売は6月末頃まで十分可能であると確認された。

7〜8月までの検証では、外見・果肉内部に変色等変化はなく食感も良く貯蔵状態は良好である物がほとんどであるが、7月検証にて外見に変化がないにもかかわらず内部が茶色に変色しているものが確認され、食べると苦みが感じられた。この変色は一部での発生であるが切ってみないと外見で見分けがつかないため、7月以降の貯蔵・販売には注意が必要。
ただし、今回の処理は選果場出荷りんごにて実施したため、収穫から処理までの時間差にばらつきがあり、処理時のりんごの品質が一定でない影響も考えられるが原因は不明。

D焦篏蠅任6月の販売価格は、りんごが珍しい時期ではあるがあまり高すぎても販売がむずかしいことから1玉100円〜130円の設定となった。処理料及び処理後予冷庫での貯蔵に係る電気料等の経費を考慮し採算がとれる価格設定が可能かは未確認。

ぁ屬靴覆凌大学」参加者(34名)への試食とアンケートを実施。(令和元年7月18日)
・試食の感想としては、シャキシャキ感がありとても美味しいとのご意見と反面、酸味やふじとしての味が感じられない等、両面のご意見が半々であった。
・「購入したいと思うか」に対し 思う 12名/思わない 12名/分からない 10名で好評価は半数ほどであった。

 

 

スマートフレッシュ処理試験検証

 

処理後12ヵ月(H31.01.07H31.02.04検証)

  ○処理品・未処理品共に外見・鮮度等に変化なく、大きな差は見られない。

    

 

処理後34ヶ月(H31.03.04H31.04.04検証)

  ○処理後3ヶ月経過後頃から一部に腐敗果、「ほぞ」先端部にカビの発生が見られた。腐敗果については選果場にて手配したりんごのため、収穫から処理日までの日数が一定でないことら処理前のりんごの品質等にばらつきがあった影響と思われる。カビについては処理日当日が雨降りで湿気が多く、りんごに水分が多い状態で処理しシートを被せたことによりシート内部に水滴が発生し、多湿によりカビが発生したと思われる。

処理品・未処理品共に外見・鮮度等に変化なく、大きな差は見られない。

未処理品もこの時期までは多少軟化を感じるが、甘味があり美味しい。

  ○処理品の方が食感はかたさとみずみずしさを感じる。

        

 

       腐敗の状態              カビの状態

   

 

 

処理後56ヶ月(R01.05.06R01.06.05検証)

〇処理品の一部に発生した腐敗は進行が見られる。カビについて発生の拡大は見られない。

〇その他は全体的に処理品は外見で大きな変化はなく、食感は果肉にかたさを感じるくらいしっかりしている。

〇未処理品は外見・食感ともに軟化が進行しており、品質低下がみられる。

        

 

処理後7ヶ月(R01.07.04検証)

74日の検証で、果肉内部に茶色の変色が一部のりんごについて見られた。

   (スマートフレッシュ処理は密の多い果実は貯蔵中に密組織が褐変する恐れがある)

〇処理品を予冷庫より出した後、室温に放置すると数日で腐敗が発生。特に暑い時期であるため出庫後室温での品質保持は数日と思われ傷みが早く注意が必要。

   

 

処理後8ヶ月(R01.08.05検証)

7月に確認された内部の変色が濃くなり進行が見られる。外見はほとんど変化なく状態は良好なものでも、果肉内部は変色しているものがあり食べると苦みがある。切ってみないと内部変色の状況がわからないため、販売はむずかしい。

                           (左写真のりんご内部)

   

 

 

 

 

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